介護保険のサービスは多くの方が1割の自己負担で利用できる大変メリットのある制度ですが、利用するサービスが増えてくると、それなりに費用が高くなってしまいます。
今回は介護保険のサービスを利用した時の費用を安くする制度の中から、高額介護サービス費・高額介護予防サービス費について解説します。
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費とは
どんな制度?
介護保険のサービスを利用した際の自己負担分(利用者負担分)の1か月の世帯合計が[負担の上限額]を超えた場合、超えた部分が戻ってくる制度です。
対象となるのはどの費用?
高額介護サービス費と高額介護予防サービス費の対象となるのは、介護保険のサービスを利用したの利用者負担分です。介護保険のサービスを利用した際には、利用者負担分以外の費用がかかっている場合がありますが、これらは費用は対象になりません。また、一部のサービスの利用者負担分も対象になりません。
対象とならないもの
特定福祉用具購入費(利用者負担分)
住宅改修費(利用者負担分)
サービス・施設での食事代
サービス・施設での宿泊代(居住費・滞在費・宿泊費)
サービス・施設での理美容代
サービス・施設での日用品費
サービス・施設でのレクリエーション費
オムツ/リハビリパンツ代
タクシー代
高額介護サービス費と高額介護予防サービス費の違い
高額介護サービス費と高額介護予防サービス費との違いは、介護保険のサービスを利用した人の状況の違いです。
高額介護サービス費:要介護の人
高額介護予防サービス費:要支援の人
[負担の上限額]とは
[負担の上限額]は、サービスを利用した人やサービスを利用した人のいる世帯の収入の状況によって変わります。
サービスを利用した人の状況 | 負担の上限額(世帯) |
住民税課税世帯で
65歳以上の現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方 65歳以上で課税所得145万円以上の方のいる世帯 |
44,400円 |
住民税課税世帯で
同じ世帯の全ての65歳以上の方の利用者負担割合が1割の世帯の方
|
44,400円
年間の上限は446,400円
[令和2年7月まで] |
住民税非課税世帯 | 24,600円 |
住民税非課税世帯で
利用した人が老齢福祉年金受給者
利用した人の前年の所得金額と公的年金等収入額の合計が年間80万円以下
|
24,600円
但し個人の上限は15,000円
|
生活保護受給者の方等 | 15,000円 |
住民税非課税世帯に属する方が30,000円分の介護サービスを利用した場合、30,000-24,600=5,400円の高額介護サービス費が支給されます。
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費をもらうには
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費をもらうには給付申請手続きをする必要があります。
申請に必要なもの
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の給付申請に必要なものは以下の通りです。
高額介護(介護予防)サービス費支給申請書の郵送について
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費をもらえる要件を満たしていると思われる方については、[高額介護(介護予防)サービス費支給申請書]を郵送してる市町村が多いです。
但し、郵送してもらったとしても、申請をしなければ、給付されることはありませんので、
●独居高齢者の方
●認知症の方
●郵便物を見ない方
などは見逃していないかどうか注意が必要です。
申請窓口
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の給付申請の行なう窓口は、お住まいの市町村の介護保険担当窓口になります。
お金のもらい方
高額介護サービス費・高額介護予防サービス費の給付申請を行ない給付が決定すると、通知が届き、申請した際に記載した金融機関に振り込みされます。
一度手続きをすると、その後は手続きをすることなく自動的に振り込みが継続されます。
可能性があれば申請しよう
上記しましたように、高額介護サービス費・高額介護予防サービス費をもらえる要件を満たしていると思われる方については、[高額介護(介護予防)サービス費支給申請書]を郵送してる市町村が多いです。手元に郵送された[高額介護(介護予防)サービス費支給申請書]がなくても、市役所/町村役場へ行き申請をすることはできます。給付を受けられる可能性があれば、申請してもることをおすすめします。