「親なき後」のお子様の生活を考えるにあたり、収入の基盤としてまず最初に思い浮かぶのは「公的年金」ではないでしょうか?
今回はこの「公的年金」について、受給資格や受給できる額など、年金に関する基本情報をご紹介いたします。
公的年金制度とは
そもそも、公的年金とは一体どういう制度なのでしょうか?
日本は資本主義国家であり、国民は自由に経済活動を営むことができるので、成功すればたくさんの財産を得る事ができますが、反対に何らかの事情で日常生活を送る事に支障が出てしまう状況に陥るリスクもあります。
一方で、国は日本国憲法の中で国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障しているため、そのような事態に備え、生活保護などのいわゆる「セーフティーネット」と呼ばれる各種の制度を用意しています。
その中の一つが公的年金などの社会保険制度です。
公的年金の特徴
公的年金の特徴としてよく言われるのが次の3つです。
・世代間扶養(現役世代が支払う保険料は現在の受給者の年金給付に充てる)
・2階建年金(国民年金と厚生年金の2層構造になっている)
つまり、20歳以上の国民が全員加入し保険料を支払う事で、現在の受給者への給付を賄うというバトンリレーのような構図になっています。
また、2階建ての構造にする事で、国民年金による受給者一律の受給額に加え、会社員の方などは厚生年金に加入する事で、支払った保険料が多ければそれに応じて支給される年金額も増額される仕組みになっています。
公的年金の種類
公的年金と聞くと「老後」というイメージが強いかも知れませんが、本来の制度主旨を踏まえ、以下の3つの場合に支給される事となっています。
→ 現行制度においては原則として65歳になると受給することができます。
→ 障害や病気によって生活に支障が出た場合に受給する事ができます。
→ その方に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が受給できます。
保険料について
国民年金
令和元年現在、国民年金の1カ月当たりの保険料は16,410円となっております。なお、まとめて前払い(前納といいます)すると、保険料の割引が適用されます。また、現金払いだけでなく、銀行口座からの引落しやクレジットカードでの支払いも可能です。
国民年金保険料に加えて、付加保険料といわれる追加保険料を納付することにより、将来の年金額を多く受け取る制度もあります。
なお、収入の減少や失業等により国民年金保険料を納めることが経済的に難しいときは保険料の免除や猶予の制度があります。申請には所得要件等の審査がありますので、お近くの年金事務所へご相談下さい。(障害年金を受けている方や生活保護法による生活扶助を受けている方は法定免除となります)
厚生年金
厚生年金保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に保険料率(18.3%)をかけて計算されます。なお、保険料は被保険者(本人)と事業主(会社)とが半分ずつ負担します。
まとめ
以上、今回は公的年金制度の概要について説明をいたしましたが、その中でも「親なき後」問題で最も関わりが深いと思われるのは、障害年金だと思われますので、次回は障害年金にスポットをあてて解説をしてゆきます。
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